駅や電車内の「無料Wi-Fi」が徐々に姿を消しているワケ
東京メトロや京急、つくばエクスプレスなど、電車や駅での無料Wi-Fiサービス終了が相次いでいる。電車や駅だけでなく、コンビニエンスストアで提供されている無料Wi-Fiサービスも軒並み終了している。いったいなぜか。
一定数の需要が見込める可能性

無料Wi-Fiの今後は衰退が見られる一方で、一定の需要を見込んだ動きもある。
例えば、一部の新幹線や有料特急では引き続き無料Wi-Fiが提供されている。これにより、長距離や移動中の情報へのアクセスが容易になる。無料Wi-Fiに価値を見いだす利用者層も一定数いるのだ。
また、Wi-Fi環境の整備が進んでいる地域もある。例えば、川崎市では、区役所や一部の駅、バスターミナルなどの公共施設で、1回60分まで接続できる「かわさきWi-Fi」の整備を進めている。
災害時のインフラとしての機能も期待されている。ドコモ、au、ソフトバンクが主導する公衆Wi-Fiサービス「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」は、災害時に共有SSIDを持つWi-Fiを誰でも無料で利用できる。
携帯電話回線が不通になったり、混雑で通信速度が低下したりしても、Wi-Fi通信で情報や安否確認がスムーズに行えるため、災害対策として重要視されている。
こうした動きから、フリーWi-Fiの衰退に反対する理由が見えてくる。衰退が進む一方で、無料Wi-Fiが特定の需要に適しているという認識がまだ残っていることを示唆している。