「日本の自動車メーカー = 遅れている」は間違い! 話題の“SDV論争”から読み解く、安易なメーカー批判という時代兆候
近年、「SDV」という三文字が頻繁に登場することが増えた。そしてそこで垣間見えるのは「日本の自動車メーカーはSDV開発で後れを取っている」というある種の“決まり文句”である。本当か。
先端技術の事前発表が重要

では、なぜ日本の自動車メーカーはSDVに消極的で後れを取っているといわれるのか。答えは単純で、今のところ市場がそれを求めていないからである。
ある記事は、このまま行くと日本の自動車メーカーは単なる組み立て屋になってしまうとまで断言していた。しかし、もはや組み立てそのものを数値化しなければ効率的に運用できないのは、最先端の製造現場の常識だろう。
これからの日本の自動車メーカーに必要なこと。それは、経営判断的に難しいのは理解できるが、市場の要求を待たずに
「これぞSDV」
と胸を張っていえる機能を先行導入することである。
いずれにせよ外資系企業の“大きな花火”に食いつきがちなメディアを引き戻すためにも、先端技術の事前発表が一層重要になることは間違いない。
技術的なバックボーンは遅れているのではなく、すでに完成しているのだ。