鉄道を本番速度でテスト! チェコの「鉄道試験施設」をご存じか
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欧州の鉄道のテストコースでも特に有名なのが、チェコの鉄道総合試験施設「ヴェリム試験センター」だ。いったいなぜなのか。
自動車と鉄道車両の違い

自動車を開発する際、高度なテスト走行が必要なスポーツカーなどを除き、たいていの場合はメーカーが自社の敷地内に保有するテストコースを使ってテストをする。ただ、鉄道車両となると話が変わってくる。
車体が大きいので、テストコースを作ろうとするなら広いスペースが必要となるし、そもそも鉄道車両の規格は会社によって異なるので、メーカーが保有するには限度がある。実際、日本の鉄道車両メーカーの場合は、完成後に構内の短い線路上で起動試験を行い、その後は本線上で走行試験を行うことになる。
ただし全くの新技術や、ゼロから開発した新型車両の場合、それが完全に動くかどうかは、実際の編成を組んで、かつ
「実際の営業速度」
で走らせなければ分からない部分もある。
本線上でそれを行うことも可能だが、万が一にも不具合で停車するようなことがあれば、営業中の列車に影響を与えることになる。また、車籍を持たない実験用車両の試験を行う場合は工事用車両など同様、線路を閉鎖しなければならないため、必然的に営業運転終了後の深夜などに限られてくる。
より効率的に長時間のテスト走行を行うには、営業列車に影響を与えない
「試験走行だけできるテストコース」
が理想的だ。