鉄道を本番速度でテスト! チェコの「鉄道試験施設」をご存じか
- キーワード :
- 鉄道
最速の試験走行が可能

チェコ鉄道ヴェリム駅から伸びる引き込みが続く先には、メンテナンスのための複数の建屋と留置線、そしてそれらに接続される大小ふたつの楕円(だえん)形周回コースがある。
大周回線の全長は13.276Km、約2Kmの直線と曲線半径1400mの曲線で結ばれており、最高速度は200Km/h、事前承認を行うことで230Km/hまで許容されている。
欧州には、ドイツのヴェークベルク・ヴィルデンラートやポーランドのジュミグロドにも同様の試験施設があるが、最高速度はいずれも160Km/hまでとなっており、ヴェリムは欧州でも
「最速の試験走行」
を行うことが可能な施設となっている。
一方の小周回線は全長3.951Km、大周回線の内側に敷設されており、曲線半径は300~800mで最高速度は80Km/hとなっている。こちらは主に、完成後の最初の起動試験や、高速走行をともなわないテストなどで使用される。
もちろん、欧州で主に使用される交直流四つの電圧すべてに対応し、小周回線には第三軌条を設置して試験をすることも可能となっている。軌間は標準軌(1435mm)のみだが、欧州域内の大半がこの軌間を採用しているので問題はない。
市町村を通り抜ける周回線

興味深い点として、周回線自体はVUZの施設内ではなく、
「周辺の市町村を通り抜けている」
点だ。大周回線の内側には、ソコレチュという小さな村もあり、試験センターの最寄り駅はツェルヘニツェという村になる。
自動車のテスト用周回路というと、厳重な壁で覆われた秘密の場所で、テスト走行する車も擬装カバーで覆われているという印象が強いが、ここは目隠しの壁もなく、自家用車やトラクターが行き来する田舎道から大周回線を見渡すことができ、小周回線に至っては住民らが散策する森の中にある。
運行開始前の車両が見られるということで、取材で訪れる現地雑誌社のみならず、ドイツやスペイン、オランダなど他国から足を運ぶ熱心なファンの姿も見られる。
認証試験や欧州標準信号ETCSのテストなどで、当施設を利用する顧客は年々増えており、VUZは現在も施設の改良や拡張を続けている。