他人の「ナンバープレート」を撮影するのは法律違反? 素朴なギモンに回答する

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隣のクルマのナンバープレートをスマートフォンで撮影し、その後、自身のものと思われるクルマの車体を撮影している人がいた。ナンバープレートの撮影は個人情報の取得に関する法律に違反するか。

個人情報保護とナンバープレート

ナンバープレート(画像:写真AC)
ナンバープレート(画像:写真AC)

 ナンバープレートは明治初期に始まった。クルマだけでなく自転車も非常に高価な乗り物とされ、「自転車税」の徴収が始まった。

 ナンバープレートは「自転車鑑札」と呼ばれ、自転車税を管理する目的で使用された。自転車後部の台座から紙芝居を実演する中年男性の姿に見覚えがある人も多いだろう。

 昭和初期には、現在のナンバープレートに近い形となり、ナンバープレートだけで個人情報が取得できた。しかし2000年代初頭、個人情報保護を求める世論の機運を背景に、それまで公開情報だった自動車登録情報が非公開となった。

 それ以降、前述のようにナンバープレートだけで他人の個人情報を取得することはできなくなり、

・当該車両の車体番号下7桁
・照会理由の正当性
・身分証明書

が必要となった。

厳格な個人情報取得手続き

ナンバープレート(画像:写真AC)
ナンバープレート(画像:写真AC)

 現在、ナンバープレートだけから個人情報を取得できるのは、次のような場合とされる。
・行政機関による犯罪捜査等に利用する場合
・弁護士等の所属弁護士会を通じて情報公開を求める場合
・私有地に長期間放置された車両の所有者を特定する場合

 このように、ナンバープレートから個人情報を取得するには、厳格な手続きが必要なのだ。これは、ナンバープレートから個人情報が取得され、ストーカー、DV問題、自動車盗難、悪質なダイレクトメールへなどの犯罪に利用されていることが引き金となっている。

 ちなみに、私有地外の公道に放置された車両は、警察がナンバープレートから個人情報を入手し、当該車両の所有者に連絡することになっている。

 私有地に放置された車両の所有者を特定する場合、放置場所や放置期間、放置車両の写真を添付し、所有者に相談することで所有者の個人情報を入手できる可能性がある。

 また、自動車売買に関するトラブルで弁護士を利用する場合も、「相当な事由」があれば弁護士に相談することができるようだ。ただし、所属する弁護士会が情報取得の正当性を評価し、弁護士会がナンバープレートからの情報開示を求めるため、悪意ある理由で個人情報を取得することはできない。

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