免許返納後の救世主? トヨタの電動車いす「シーウォークエス」をご存じか
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安全性能の強化

厚生労働省の資料によると、電動車いすの特徴と使用上のリスクは次のとおりである。
・早歩き程度のスピードで走行|道路や踏切横断に時間がかかり事故要因
・重量がある|緊急時(踏切脱輪時)の自主退避が困難
・高齢者の利用|加齢に伴う操作性や注意・判断力の低下
・電動で動く|バッテリー切れによる走行停止
・歩道や施設内を走行できる|歩行者や障がい物などとの衝突事故
・座った姿勢で外出|高さが低く自動車から見落とされやすい
・三輪・四輪で走行・転回する|左右差、側溝、内輪差による脱輪・転倒
・幅がある|車幅感覚のズレによる他者・他物との接触
このようなリスクに対して、厚生労働省は、踏切では原則として車両を走行させないこと、迂回路を設けることを求めている。やむを得ず走行する場合は介助者の同伴を強く推奨しており、踏切での脱輪や事故のリスクが高いことを示している。
一方、シーウォークエスのリスク対策としては、バッテリー残量が一目で確認できる表示パネル、人や障がい物との衝突回避を支援する障がい物検知機能、減速やハンドル操作を自動で支援する運転支援機能などがある。また、シーウォークエスには、旋回速度制御機能や急傾斜地進入時の減速をアシストする急傾斜地検知機能も標準装備され、高い安全性能を実現している。
しかし、シーウォークエスをより安全に使用するためには、試乗、上記リスクに関する教育、運転方法の指導、実際の運転体験などを踏まえて使用する必要がある。
道路交通法では歩行者扱いだが、そもそも車いすは「車」であり「椅子」である。車である以上、直感的で操作が簡単であっても練習が必要である。実際、介護保険の電動車いす貸与のガイドラインでも練習が推奨されているほどだ。シーウォークエスをより安全に使うための注意点を意識して練習しなければならない。