アマゾン配達員を襲う「下請けいじめ」「AI支配」の波 海外では“現代の奴隷”との声も 自衛手段はあるのか?

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10月のはじめ、個人事業主であるアマゾン配達員が、業務中の負傷について横須賀労働基準監督署に労災認定されたと報道された。個人事業主は、本来ならば労災の対象外である。しかしながら、労基署はこの業務中に負傷した配達員を「指揮命令により働く労働者」に該当すると判断したのだ。

求められている自衛

AIのイメージ(画像:写真AC)
AIのイメージ(画像:写真AC)

 アマゾンに限った話ではないが、ロジスティックの最適化を考える人工知能(AI)は、自社の利益を最大化するために学習し計算し、それを押し付けるだけなのだ。そこに配達員の

・生活
・ライフワークバランス
・幸せ

など考慮する余地はないのは当然だ。

 また、AIの前では、重層下請け構造の1次下請け、2次下請け業者はビジネスパートナーではなく、効率的に配送して利益を上げる方法の

「ひとつの駒」

にすぎない。1次下請け、2次下請けに支払うマージンすらもったいないとAIが判断すると、いとも簡単に切られる。

 さらには、AIは配達員の行動をリアルタイムで把握して学習していることが問題だといわれている。例えば、誰かが、持ち前のセンスや超人的な能力を発揮する、あるいは下請け業者による圧力、はたまた偶然が重なって今までにない速度で配達をやり遂げてしまったとしよう。するとAIは「やればできるじゃん」と認識し、その配達速度が

「標準」

となる。以降は、その新たな速度で仕事を強いられるため、ますます過酷になるという。米国の尿ペットの強制がよい例だ。

 今後は、

・自由度の高い仕事
・固定報酬で月々の収入が安定

など、働き手にとって聞き心地のよい言葉は、

「AI側の利益を最大化するための方便」

と、疑ってかかるくらいがちょうどいいのではないだろうか。

 また、配送員をはじめるなら、限りある自分の貴重な時間を切り売りしていると認識し、

「現代の奴隷」

とならないため、自分の時間をより高く売るように、ときにはストライキや訴訟を辞さない覚悟で自衛しなければならない。

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