カーナビ“交換NG”のクルマが続出、純正品の性能向上で「社外品メーカー」は生き残れるのか?
カーナビ業界再編と未来への展望

純正品の充実化や自動運転技術、コネクテッドシステムの進化により、洗練されたカーナビ体験を提供。そこに、スマートフォンアプリによるカーナビの普及も業界に新たな機会をもたらしたことで、大手カーナビメーカーは存続の危機に瀕している。
一部を紹介すると、カーナビ最大手だったパイオニアは、2019年に香港の投資ファンド会社の傘下に入り、事業立て直しを図っている。「イクリプス」を販売していた富士通テンは、2017年にデンソー社の傘下に入り、「デンソーテン」と改名。そして「ダイヤトーン」シリーズを輩出した三菱電機も、カーナビ事業からの撤退を発表するなど、生き残りをかけた事業再編の動きが顕著化している。
しかし、社外品メーカーも新たな価値を生み出すために模索し、競争力を保つための努力を惜しまないでいる。
たとえば、パイオニアはカーナビ機能を備えたドライブレコーダー「NP1」を発表。音声による対話型カーナビ機能を備え、音声案内をしてくれるものだ。さらに、ケンウッドをはじめ各社から、ドライブレコーダーと連動して、映像を車内で確認できるようにする機能を備えるなど、純正品と差別化を図る動きがみられる。
また、MMD研究所の調査では、「カーナビアプリを使いつつ、今後もナビ目的で車載カーナビを利用する意向があるか」を聞いたところ、8割以上が利用意向があり、その理由としては、
「なんとなく安心できるから」
「画面が大きくて見やすいから」
「データ量や通信料金を気にせず使えるから」
が挙げられた。
革新的な純正品やカーナビアプリが台頭するなか、社外品メーカーがいかにユーザーの需要に応えられるかが生き残りのカギとなるだろう。そして、様々な選択肢がドライバーに提供され、市場競争を通じて優れたカーナビが開発されることが望まれる。