ライドシェア解禁しても「タクシー乗務員の奪い合い」になるだけ? 全体の乗務員数は増えない? 岸田首相の検討表明で考える
岸田文雄首相が23日の臨時国会で一般ドライバーが自家用車で乗客を有償運送するライドシェア導入を検討する方針を示した。タクシー不足に対応するためだが、課題が残る。
岸田首相、具体性示さず

岸田文雄首相が、10月23日の臨時国会で一般ドライバーが自家用車で乗客を有償運送するライドシェア導入を検討する方針を示した。タクシー不足に対応するためだが、課題が残る。
「地域交通の担い手不足や移動の足確保という深刻な社会問題に対応しつつライドシェアの課題に取り組む」
23日開かれた衆議院本会議。演壇に立った岸田首相は所信表明演説でライドシェアの導入検討を始める考えを明らかにした。
ライドシェアは米国や中国、東南アジアなどで浸透しているが、日本ではこれまで、「白タク行為」として原則禁止にしてきた。安全面や事故対応に不安があり、タクシー業界が反対してきたからだ。自民党内でも菅義偉(よしひで)前首相や河野太郎デジタル相らが導入に前向きな姿勢だが、ハイヤー・タクシー議員連盟などが反対の意向を示している。
岸田首相は急激に進むタクシー不足に対し、有効な方策を打ち出せていない現状を考慮し、検討へ一歩踏み出したもようだ。ただ、今後の具体的な方向性については所信表明のなかで触れなかった。