ライドシェア解禁しても「タクシー乗務員の奪い合い」になるだけ? 全体の乗務員数は増えない? 岸田首相の検討表明で考える
岸田文雄首相が23日の臨時国会で一般ドライバーが自家用車で乗客を有償運送するライドシェア導入を検討する方針を示した。タクシー不足に対応するためだが、課題が残る。
自家用有償旅客運送の枠組み拡大か

国土交通省では過疎地に限って導入されている自家用有償旅客運送の枠組みを拡大し、過疎地や観光地などタクシー不足が深刻な地域で時間帯を限定して導入する方向が「日本版ライドシェア」として検討課題に浮上している。
自家用有償旅客運送はバスやタクシーによる移動が困難であり、住民に必要な輸送と地域合意ができたところに限って道路運送法の特例を設ける制度。運行主体を地方自治体や非営利団体に限定、安全対策として講習の実施などを義務づけている。兵庫県養父(やぶ)市のように国家戦略特区の規制緩和を活用し、自家用有償旅客運送を導入した地域もある。
養父市は2018年から市内のタクシー会社と観光協会などで組織するNPO法人が自家用有償旅客運送を始めた。運行エリアは中山間の大屋、関宮の両地区に限定されている。料金は通常のタクシー料金の6~7割で、稼働する市民ドライバーは10人余り。年間に約400件の利用がある。
日本版ライドシェアでどの地域に導入し、最大の課題といえる安全対策や事故後の対応をどうするかは今後の検討に委ねられるが、業界団体や自民党内の調整は難航が予想される。