ライドシェア解禁しても「タクシー乗務員の奪い合い」になるだけ? 全体の乗務員数は増えない? 岸田首相の検討表明で考える

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岸田文雄首相が23日の臨時国会で一般ドライバーが自家用車で乗客を有償運送するライドシェア導入を検討する方針を示した。タクシー不足に対応するためだが、課題が残る。

抜本的解決には給与引き上げが必要

JR福井駅前で客待ちするタクシー(画像:高田泰)
JR福井駅前で客待ちするタクシー(画像:高田泰)

 タクシー乗務員不足の原因は、2002(平成14)年に台数規制が廃止されて以降、業界の競争が激化して乗務員の労働条件悪化と収入減少が続いたからだ。厚生労働省によると、2022年6月の平均月額給与は超過勤務を含めても29万4100円。全産業平均より

「15%」

近く低い。これでは若い人材が入ってこないのもうなずける。

 乗務員不足を根本から解消するには、介護士や保育士のように国が給与面で支援するしかない。しかし、全国約23万人のタクシー乗務員の給与を全産業平均並みにすれば、100億円以上の予算が必要になる。そこで、タクシーの不足分をライドシェアで肩代わりしようとしているのだが、安全面以外にも課題がある。

 養父市土地利用未来課は

「タクシー営業が成り立たない過疎地で住民の足を確保するにはライドシェアしかない」

と見ているが、急激な人口減少と高齢化にさらされる過疎地ではドライバーの確保が大きな問題になりつつある。

 養父市の登録ドライバーの中心は60代が占める。これは高知県いの町など自家用有償旅客運送を導入した他の自治体も同じだ。若い世代が地域に少ない以上、高齢者に頼るしかない。しかも、報酬は1時間走って

「数百円」

新たにライドシェアを導入したところですべての地域でドライバーを確保できる保証はない。

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