ライドシェア解禁しても「タクシー乗務員の奪い合い」になるだけ? 全体の乗務員数は増えない? 岸田首相の検討表明で考える
岸田文雄首相が23日の臨時国会で一般ドライバーが自家用車で乗客を有償運送するライドシェア導入を検討する方針を示した。タクシー不足に対応するためだが、課題が残る。
タクシー乗務員不足は危機的状況

タクシー不足が深刻化する背景には、乗務員の急激な減少がある。業界団体の全国ハイヤー・タクシー連合会が全国60地域で法人タクシー乗務員数を集計したところ、6月末現在で約23万3000人と2019年3月末より20%強に当たる6万人近く減っていることがわかった。
京都市のJR京都駅前では、訪日外国人観光客の殺到でタクシー待ちの大行列が常態化している。市内は法人タクシー乗務員が2019年末から3年間で20%以上減った。市民が配車を求めても断られることが珍しくない。
2024年3月に北陸新幹線が延伸する福井県では、法人タクシー乗務員が7月末時点で2016年より30%近く減少した。新幹線が延伸してもタクシーがいない事態が起きかねないとして、福井県は8月、福井市で説明会を開き、乗務員確保に動きだしている。福井県交通まちづくり課は
「他地区でも開催して乗務員を確保したい」
と危機感を募らせた。
過疎地では状況がさらに深刻だ。人口減少の加速でタクシー会社の廃業ラッシュが続き、北海道猿払(さるふつ)村、徳島県上勝町など自治体内に1台のタクシーもない地域が少なくない。乗務員が高齢のタクシー会社経営者ひとりだけという自治体も急増中だ。