JRはなぜ「直通列車」を削減するのか? 国鉄分割がなかったら今より多く存続していたかもしれない
首都圏では鉄道会社間の直通運転が盛んなのに、なぜJRは直通列車を減らすばかりなのか。いま一度考える。
直通運転の復活の動き

地方圏では、直通運転の復活や新設も見られる。
2016年3月27日にえちぜん鉄道三国芦原線と福井鉄道福武線の直通運転が開始され、2016年度のえちぜん鉄道(全線)と福井鉄道の利用者数は、それぞれ+9.9万人(+2.9%)、+4.2万人(+2.1%)となった(福井県総合政策部交通まちづくり課『福井県における地域鉄道支援の取り組み~えちぜん鉄道の発足から挑戦を中心に~』2017年6月16日)。
2023年7月15日に全線再開した南阿蘇鉄道⇔豊肥本線の直通(「南阿蘇鉄道・豊肥本線接続強化事業」)では総事業費4.2億円に対して、便益が4.8億円と公表されている(国土交通省鉄道局『令和4年度予算及び令和3年度予算に係る鉄道関係公共事業の事業評価結果及び概要について』2022年3月)。国とともに、設備投資費用等の補助を行っている熊本県は
「『創造的復興』のはずみとするために、南阿蘇鉄道の復旧とJRとの直通運転を進めることとした」(交通政策課地域交通班)
と話す。
ここで改めて考えてみると、これまで削減されてきたのは、JR会社間の在来線直通旅客列車である。それに対して、JR貨物は旅客会社の会社境界駅を越えて貨物列車を運行している。歴史に「もし」は存在しないが、仮に国鉄が分割していなかったとしたら、会社間直通の旅客列車は
「現状よりも多く存続していたかもしれない」
と想像する。