JRはなぜ「直通列車」を削減するのか? 国鉄分割がなかったら今より多く存続していたかもしれない
首都圏では鉄道会社間の直通運転が盛んなのに、なぜJRは直通列車を減らすばかりなのか。いま一度考える。
長野県の実態

今回は長野県の実態を視察しに、9月のある平日夜の時間帯に、中央本線岡谷→飯田線飯田へ直通する普通列車に乗車した。
213系2両には学校帰りの生徒を中心に、150人ほどの乗車があったが、会社境界の辰野までで下車したのは約3割で、残りの約7割は飯田線の駅まで乗車した。車内の多くを通学生が占めていた。また、中央西線と篠ノ井線の直通列車も、通学などで多く利用されている(表)。
表を見ると、中央西線の「利用生徒数」は18人と少ないもの、「割合」は中央東線よりも高い。JR東海によると
「お客さまのご利用人数が大きく変わらない区間につきましては、会社間をまたぐ場合でも、直通列車を設定するなど利用状況に合わせたダイヤとしている」(広報部東京広報室)
という。ただ、直通運転にともなうコスト(直通運転にともなう経費や会社間のダイヤ調整の負担など)が高い場合は、維持が難しくなる。
本州⇔九州の区間では、本州が直流電化(山陽本線など)や非電化(山陰本線)なのに対して、九州は交流電化(鹿児島本線など)であり、両区間を直通させるには、交直両用電車などが必要である。また、熱海越えの区間についても、JR東海は3ドア車であり、4ドア車で運行しているJR東日本管内への乗り入れは難しい面もある。
鉄道事業者のみが直通運転にともなうコストを負担する状況が続けば、JR各社が在来線直通運転の取りやめに向かうのは自然な流れとなる。しかし、国鉄分割民営化に際し、当時の政府・与党は新聞広告で
「会社間をまたがっても乗り換えもなく、不便になりません」
などと「公約」していた。