最近「ミニバン」「SUV」「トールワゴン」ばかり見かけるワケ かつての“カッコいいクルマ”はどこへいったのか?

キーワード :
, ,
現在、カスタムカー市場で人気のあるクルマは、ミニバンやトールワゴン、各種SUV。いったいなぜか。

クルマの新しい楽しみ方の模索

クルマ(画像:写真AC)
クルマ(画像:写真AC)

 日本市場における人気車の勢力図が明確に変化したのは、軽自動車ではワゴンR、小型車以上ではエスティマがきっかけだろう。

 用途が限定されるスポーツカーやクーペよりも、多様な楽しみ方ができるトールワゴンやミニバンが人々の生活を豊かにする――。経済が停滞するなかで、クルマの新しい楽しみ方を模索したのは自然な流れだった。

 ちなみに、当初クロスオーバー4WDと呼ばれていたライトなイメージのオフロード4WDが、よりマイルドな性格を帯び、いわゆるSUVとして人気を博したのは、もう少し後のことである。そのきっかけとなったのは、1994(平成6)年5月に発売されたトヨタRAV4と1995年10月のホンダCR-Vだといわれている。

 もちろん、バブル経済の崩壊によってスポーツカーや高性能モデルが姿を消したわけではない。しかし、ライフスタイルという点では、ミニバンやSUVよりも明らかにストイックでマニアックな存在であったことは否めない。

 どんなムーブメントでもそうだが、マニアックさは重要な要素である。しかし、それが一線を越えると、一転して新しいユーザーへの扉を閉ざしてしまう。このように、日本におけるカッコいいクルマの主流は、めまぐるしく変化する経済環境とともに大きく変化してきたのだ。

全てのコメントを見る