観光公害の救世主? 地元に精通した「観光タクシー」こそ、地域活性化に欠かせない存在である
「観光タクシー」需要増の理由
近年、観光地を車で移動する旅行者が増えている。商品・サービスの比較サイトを展開するウェブクルー(東京都世田谷区)が行った調査によると、旅行や帰省の際に利用するようになった交通手段として、約9割が「車」と回答している。
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なかでも「観光タクシー」の需要が急増している。観光タクシーは、旅行者に地域の名所や観光スポットを案内することで、より深い地域体験を提供するタクシーだ。また、専門ガイドが地域の歴史や文化を説明して、旅行者に興味深い情報を提供する役割も果たしている。これにより、旅行者はより充実した旅行体験を楽しめる。
観光タクシーの需要が高まっている理由は多岐にわたるが、特筆すべき点がいくつかある。
第一に、観光地間のアクセスを容易にする。コロナ禍の影響を受け、感染リスクが少ない個人旅行をする人が増えている。国土交通省の2021年度の調査によると、2020年7月から12月までの期間に個人旅行をした人は、2019年と比べて4.4ポイント増加した。
個人旅行者は、団体旅行のような集団行動がなく、自由気ままに旅ができる。しかしその反面、慣れない土地での移動はストレスになりかねない。観光タクシーは、こうした問題を解決したい旅行者にとって利便性の高い移動手段として注目されているのだ。
観光タクシーのドライバーは現地の道路事情に精通したプロであることが多く、観光地間の移動がスムーズになる。特に大都市や観光地では、旅行者が殺到して渋滞などが発生する「オーバーツーリズム(観光公害)」に悩まされているが、地元に精通した観光タクシーを頼れば、隅々までルートを案内してくれることが多い。
さらに、旅行者が地元の見どころをより深く理解するためのガイドの役割も果たしてくれる。多くの旅行者は、単に観光名所を訪れるだけでなく、その土地の歴史や文化を深く理解したいと考えている。こうしたニーズに応えるため、観光タクシーのドライバーには、その地域に関する専門的な情報を提供することが求められている。