「パイロット不足」がこれだけ叫ばれているのに、簡単に増やせない根本理由

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パイロット不足は日本だけではなく、米国では欠航を余儀なくされたケースもある。不足しているなら募集すればよいと考える人は多いだろう。しかし、現状はそんなにうまくはいかないのだ。

実技・筆記のダブルパンチ

旅客機(画像:写真AC)
旅客機(画像:写真AC)

 パイロット免許にはいくつかの種類がある。

1.自家用操縦士(自家用機を操縦するための免許)
2.事業用操縦士(車の2種免許のような免許)
3.定期運送用操縦士(ふたりで操縦する航空機の免許)
4.計器飛行証明(雲や視界不良の状況でも航空機を操縦できる証明書)
5.航空無線通信士(無線で管制官と交信できる免許)
6.航空英語能力証明(国際線で使用する証明書)

 定期運送用操縦士以外の五つの免許・証明書は、旅客機のパイロットとして最初に取得する免許であり、これらの免許は四年制大学のパイロットコースで取得できる。

 さらに、飛行機は型式(車での車種)ごとに免許が必要な場合もある。この免許は「型式証明」と呼ばれ、航空会社に入社し、どの型式の航空機に乗るかを決めたら、型式証明も取得しなければならない。

 これらの免許のほとんどは、実技試験と筆記試験の両方がある。筆記試験は5科目に分かれているものもあり、全科目で合格点を取らないと筆記試験に合格できない。

 実技試験についても、免許の本試験までの間に小テストのような試験があり、実技試験に2回落ちると訓練を続けることができなくなる。

 このように免許取得までに多くの試験があるため、途中で挫折してパイロットへの道を諦めてしまう人も多いのだ。

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