深夜の「自動車ディーラー」 なぜ明かりがついたままなのか? 営業終了後の謎、元営業マンが回答する

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自動車ディーラーのショールームの営業時間は18時か19時にもかかわらず、夜遅くに通りかかると明かりがついているのが見えることがある。いったいなぜか。

顧客の都合で動く仕事

深夜まで明かりの付く店舗のイメージ(画像:写真AC)
深夜まで明かりの付く店舗のイメージ(画像:写真AC)

 自動車ディーラーのショールームの営業時間は18時から19時にもかかわらず、深夜に通りかかると明かりがついているのを見かけることがある。

「営業時間は終わっているのになぜ電気がついているのだろう」

と不思議に思う人もいるかもしれない。筆者(宇野源一、元自動車ディーラー)の勤務時代の実例をもとに、その理由をお話ししよう。

 自動車ディーラーに勤務していたとき(5年以上前)、朝7時に出社して23時に退社することもあった。なぜそうなったのかを振り返ってみると、その背景には「顧客対応」があった。

 自動車ディーラーの営業マンのビジネスモデルは、基本的に「BtoC(企業がモノやサービスを一般消費者)に提供する)」である。

 法人顧客と個人顧客の両方を相手にするのだが、勤務する支店や担当地区によってその比率は変動する。筆者が勤務していた頃の比率は

「2:8」

だった。法人といっても大企業ではなく、従業員10人以下やひとり親方の会社がほとんどだった。その場合、対応は個人顧客と大差なかった。

 営業マンから見れば多くの顧客のひとりにすぎないが、顧客から見れば営業マンは「唯一の担当者」である。そうなると、顧客は必然的に自分の要望を可能な限りかなえてほしいと願うようになる。

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