自動車産業の過剰な「北米依存」 コロナ禍で浮き彫りになったその危険性とは
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パンデミックで改めて明らかになったことに、日本の自動車産業の「過剰なまでの北米依存」が挙げられる。今後どうなるのか。
新型コロナが産業にもたらしたもの

新型コロナウイルス感染症は、100年前のスペイン風邪の大流行以来という世界的な大混乱を人類にもたらした。その結果は、健康に対するさまざまな意識変革だけにとどまらず、多くの主要産業に対して生産停止という大きな影響を残した。
2019年12月の発生確認からおよそ3年半。現時点でウイルスの変性に伴う弱毒化も進み、ゆっくりとしたペースではあるものの終息に向かっている。しかし感染自体が大幅に減少したわけではなく、依然として注意が必要であることに変わりはない。
一方、新型コロナウイルス感染症の直接的な影響で生産停止に追い込まれていた各国の主要な産業は徐々にではあるが発生以前の通常状態に戻りつつある。これは自動車生産とそれに関連するさまざまな産業も同じである。
ちなみに自動車生産については、メインの生産工場の操業停止に加え、部品を供給していた関連下請け企業の生産停止が非常に大きな影響を及ぼすこととなった。
昨今、自動車を構成するさまざまな部品のなか、特に電気/電子関係部品についてはグローバルな共通化が図られて久しい。今回、それらの生産が滞ったことで、自動車を最終的に完成させることができないという状況にさらされることとなった。
こうした事例は、自動車産業を構成する部品供給網、いわゆるサプライチェーンの再構築を多くの自動車メーカーに強いる結果となった。