自動車産業の過剰な「北米依存」 コロナ禍で浮き彫りになったその危険性とは

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パンデミックで改めて明らかになったことに、日本の自動車産業の「過剰なまでの北米依存」が挙げられる。今後どうなるのか。

北米市場が注力された理由

米国の道路(画像:写真AC)
米国の道路(画像:写真AC)

 もちろん、このことは日本の自動車が北米市場に合ったラインアップで構成されていたことが根本的な理由である。そこには、日本車が本格的に北米市場に進出することとなった1970年代以来、地道に積み重ねてきたマーケットリサーチの結果だった。

 何よりモータリゼーションの先進国としての北米市場は消費者の反応もよかった。そうした状況であれば、日本メーカーが北米優先に傾いていったことも自然なことだった。そうした状況下でのパンデミックは、まさに想定外のアクシデントだったことはいうまでもない。

 新型コロナウイルス感染症による経済活動の大混乱は、ことによると100年に1回訪れるかどうかの大災害かもしれない。しかし今回の1件を教訓として捉え、未来へ向けての課題とするのであれば、自動車メーカーはどういった対策を採ることが望ましいだろう。

 北米依存度を下げるには、他の市場を開拓しなければいけない。巨大市場である中国は、既に自国の自動車メーカーが多数活動しており、そこに大々的なシェア拡大を期待するのは難しい。そもそも依然としてチャイナリスクは存在しており、それを無視していたずらに市場拡大を図るのは危険である。

 ならば同じく巨大市場であるインドはどうか。こちらは人口こそ多いものの、国民間の経済格差は大きく自家用車市場としてはまだまだである。何よりもこれまで北米市場に供給して来たモデルでは価格が高すぎて魅力ある商品にはなり得ない。商用モデルも含めて、彼の地によりマッチしたモデルを開発することが必要だろう。

 もちろん、北米市場は巨大マーケットとしては依然として健在であり、変わらず注力し続けるというのも当然の選択肢である。

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