機体が重すぎて「離陸できない」 英国LCCで起きたビックリ珍事、いったい何がどうしてどうなった?

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スペインから英国へ向かう旅客機が、そのままでは重すぎて離陸できないため、機長の呼びかけに応じた19人の乗客が、約7万8000円の協力金と引き換えに機体を降りた――というニュースがあった。

どんな場合に離陸が難しくなるのか

イージージェットのウェブサイト(画像:イージージェット)
イージージェットのウェブサイト(画像:イージージェット)

 飛行機の翼が揚力を生むための速度は、地面ではなく空気に対する対気速度である。

 そのため、飛行機が離陸する際は、原則として向かい風で滑走する。向かい風の風速は、そのまま飛行機の速度になるので、風を味方に付けて離陸滑走距離を短くするのである。しかし、無風状態では風を味方に付けることはできないし、完全な横風なら離陸に不利な条件にしかならない。

 速度のほかに揚力を決定する条件は空気密度だが、これは気温と気圧によって変化する。気温が高いほど空気密度は低いので、気圧が低くて暑い日には、より速い離陸速度が必要になるため、長い滑走が必要だ。

 また、空気密度が低いとジェット・エンジンの推力も低くなって、滑走時の加速は悪くなるから、やはり長い滑走が必要になる。こうして滑走路の長さが足らなくなるという事態が発生する。

 パイロットは、離陸前にチャートを使って重量と必要滑走路長を確認するが、今回のケースでは、飛行場の気温が高いため空気密度が低く、利用できる風も吹いていなかったということだ。

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