機体が重すぎて「離陸できない」 英国LCCで起きたビックリ珍事、いったい何がどうしてどうなった?
- キーワード :
- 飛行機
スペインから英国へ向かう旅客機が、そのままでは重すぎて離陸できないため、機長の呼びかけに応じた19人の乗客が、約7万8000円の協力金と引き換えに機体を降りた――というニュースがあった。
飛行機が重くて飛べない
スペインから英国へ向かう旅客機が、そのままでは重すぎて離陸できないため、機長の呼びかけに応じた19人の乗客が、約7万8000円の協力金と引き換えに機体を降りた――というニュースがあった。
【無料セミナー】「自動車DXサミット vol.3」 三菱ふそう KTC マツダ登壇 Amazonギフトカードプレゼント〈PR〉
この珍事があったのは、英国の格安航空会社(LCC)・イージージェットの運航するエアバスA320、EZY3364便だ。
出発地はカナリア諸島にあるランサローテ空港で、滑走路の長さは2400m。決して短い滑走路ではないが、国際線の飛行場としては比較的小規模な空港だと言える。
旅客機が重すぎて飛べないというのは、この滑走路の長さでは、機体重量に見合った離陸速度まで加速できない、ということだ。
メカニズムを簡単に説明
飛行機が離陸できる重量は、
「発生できる揚力(流れのなかにある物体に働く合力のうち,その流れに垂直な方向の成分)の大きさ」
で決まる。
離陸するには、十分な速度まで加速するための滑走距離に加えて、万一滑走中に離陸を中断した場合に備えて、安全に停止できる余裕を持った滑走路の長さが必要になる。
航空会社は、当然そうした条件を綿密に計算して就航地を選んでいるので、通常の条件で離陸できないような運航計画を立てることはない。しかし、想定外の気象条件が発生すると、予定した重量では安全に離陸できなくなることがあるのだ。
今回のケースでは、出発地であるランザローテ空港の気象条件が、通常の想定範囲から外れていたということになる。報道によると、機長は
「気温がとても高く、風の向きもよくない」
と説明したようだ。これらの気象条件は、飛行機の離陸能力に影響を与える。