トラック運転手のオアシス「トラックステーション」 相次ぐ施設閉鎖には“公的資金”投入して筋を通せ
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公金で立て替えを

閉鎖の理由は1976(昭和51)年に最初の施設が設置されてから既に半世紀近く、施設の老朽化が一番大きいといわれている。一方、施設の老朽化が理由であれば
「代替施設への転換」
はできなかったのか――という疑問が生じる。
ちなみにトラックステーションが計画され建設が開始された時点での原資は公的資金の補助だった。それを考えれば、同様に
「公的資金で立て替えてしかるべき」
というのが理屈である。しかし、現実には閉鎖の後に代替施設開設に至った例は2015年に開所した福島県白河の関トラックステーションを数えるのみだ。
新規建設もしくは立て替えが難しい背景にあるのは、新たな補助金の手配が困難だということもあるだろう。しかし、やはり長距離トラックの運用形態が
「一般道から高速道メインになった」
ことから、利用者の減少に拍車が掛かったのも理由として挙げられる。さらに、郊外に新規出店する大手コンビニのなかには、大型トラックのための広い駐車場を設けるなどの例が多いことも遠因だろう。
トラックドライバーの労働環境を改善する上で、賃金から労働時間まで全てをクリアできる抜本的な対策が不可能なら、後は現場の環境を改善するしか方法がない。
ドライバーの“オアシス”奪うな

そうしたなか、一般道を走らざるをえないトラックドライバーにとって数少ない“オアシス”であったトラックステーションは、決してなくしてはいけないものだ。
コンビニで食料調達やトイレ休憩はできても、入浴まではできない。理想は全てのトラックドライバーが必要なときにゆっくり睡眠を取ることができる施設の整備ではないか。そのためには、公的資金での新たな施設の整備もちゅうちょすべきではないだろう。
わが国の基幹産業の維持において、輸送を通じて支える運送業とその担い手であるトラックドライバーをもっと大切にしなければいけない。今、国の行政が第一に考えなければいけないことは、まさにそこにあるのだ。