上海モーターショーで全世界「EV転換」明らかに! ガラパゴス日本に迫る没落カウントダウン、マスコミ論調さえ大きく転換の辛らつ現実
EVを巡るネット言論の変化

この10年あまりのEV化では、日産や三菱がテスラの参入とほぼ同時期という先駆者でありながら、日本のEVシフトは大きく立ち遅れた。普及面でもこの第1四半期は前年比80%増・シェア3.4%と拡大したものの、中国や欧州からは大きく遅れ、米国の1/2以下、豪州やタイにも追い抜かれている。その上、技術面も産業化も含めて日本が大きく立ち遅れた状況は、もはや誰の目にも明らかだろう。
2021年11月のグラスゴー気候サミット(COP26)直前には、反EVロビー活動を理由にトヨタが「気候変動対策に最も消極的な企業ワースト3」と批判された。翌月にトヨタは記者会見を開いて豊田章男社長(当時)自ら
「2030年までに350万台のEV」
をぶち上げたものの、水素やハイブリッドなどを含む「全方位戦略」というもので、この方針はこの4月に佐藤恒治新社長に交代しても変えていない。にもかかわらず、国内のメディアからは批判的な論調は見られなかった。
ところが、上海モーターショー後は、
「日本のEV攻勢に中国BYDの壁」(日経新聞)
「EVに出遅れて躍起」(朝日新聞)
「日本勢は苦戦」(毎日新聞)
「日本勢は正念場」(時事通信)
「日本車のガラパゴス化が鮮明」(現代ビジネス)
など、日本勢のEVの立ち遅れを指摘する声が相次いだ。インターネット空間もEVの記事に対しては、従来は反EVの声に溢(あふ)れていたが、日本勢の苦境を報じるヤフーニュースに対するコメント(ヤフコメ)は、予想外に
「冷静で中立的な意見」
が多かったことは興味深い。
EVを巡って、日本ではこれまではインターネットにとどまらず、言論空間やさらには政治・政策空間までを含めて、トヨタや日本を礼賛する声がこだまする「フィルターバブル」(インターネットのアルゴリズムによって分析された情報ばかりに触れている状態)が覆ってきたが、「上海ショック」や、ひょっとするとトヨタ社長交代も一因かもしれないが、そのフィルターバブルに多少なりとも亀裂が開いたのかもしれない。