北海道新幹線の運賃「やたらと高額」なワケ 普及の壁となる安価フェリーの存在、札幌延伸まで青函両岸の一体化急げ
2030年度の札幌延伸が予定されている北海道新幹線。延伸工事が進むなか、開通後の運賃についてもその金額が注視されている。いったいなぜか。
北海道新幹線の運賃課題

2030年度の札幌延伸が予定されている北海道新幹線。延伸工事が進むなか、開通後の運賃についてもその金額が注視されている。運賃の割高感は、利用を低迷させる原因となるからだ。
北海道新幹線は2016年3月の開業当初から、「とにかく高い」といわれてきた。現在、さまざまな割り引きが適応されているとはいえ、開業当初に設定された東京~新函館北斗間の大人ひとりの通常運賃は
「2万2690円」
だった。航空機の通常運賃(羽田~函館)と比べて2~4割安い設定になっているとはいえ、課題は多かった。ゆえに空路と同等か
「空路より時間がかかる上に割高」
というイメージが定着してしまった。
なぜ運賃が高額になったのか、その理由について説明しよう。理由のひとつは、JR2社にまたがって運行していることだ。
このため、特急運賃は新青森駅でいったんリセットされ、東京~新青森間の7200円と新青森~新函館北斗間の4450円をそれぞれ支払う必要がある(座席指定の重複分を差し引き1万1130円)。
通例、特急料金は乗車距離が長くなるほど割安になっていくが、北海道新幹線は計算上、新青森駅でいったん下車して乗り直していることになる。乗客からしてみればこの料金設定は
「ズルい」
と思うだろう。2011(平成23)年開通の九州新幹線から導入されたものだ。