北海道新幹線の運賃「やたらと高額」なワケ 普及の壁となる安価フェリーの存在、札幌延伸まで青函両岸の一体化急げ

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2030年度の札幌延伸が予定されている北海道新幹線。延伸工事が進むなか、開通後の運賃についてもその金額が注視されている。いったいなぜか。

フェリーが新幹線普及の壁となるワケ

青函フェリーからの眺め(画像:写真AC)
青函フェリーからの眺め(画像:写真AC)

 津軽海峡を挟んだ地域では、移動時間が大幅に短縮され、かつ航路と異なり天候に左右されにくいと見られたが、新幹線の利用が定着していない理由はなにか。それは、フェリーの存在だ。津軽海峡を挟んで青森と函館を結ぶフェリーは

・青函フェリー
・津軽海峡フェリー

の2社が存在する。こちらも料金を比較してみよう。

●北海道新幹線新(青森~新函館北斗)
・乗車券:3190円
・特急料金:4000円
・合計:7190円

●青函フェリー(青森港~函館港)
・大人ひとり:2700円(通常期)

●津軽海峡フェリー(青森港~函館港)
・大人ひとり:2860~3850円(スタンダード)

 フェリーはとにかく圧倒的に安い。さらに、両社とも往復割り引きやインターネット割り引きなどを導入しているため、運賃はさらに安くなる。問題があるとすれば、新幹線の方が市街地からアクセスしやすいということだろう。

 筆者(碓井益男、地方専門ライター)は函館から青函フェリーに乗船したことがある。最寄り駅はJR五稜郭駅で、駅からは徒歩30分といったところ。青森側から青森駅まで歩いたが、やはり徒歩30分程度だった。なお、青森側は最寄りから路線バスが出ている。函館側も本数は少ないが、同様である。アクセスの利便性は、そこそこといったところか。

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