北海道新幹線の運賃「やたらと高額」なワケ 普及の壁となる安価フェリーの存在、札幌延伸まで青函両岸の一体化急げ

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2030年度の札幌延伸が予定されている北海道新幹線。延伸工事が進むなか、開通後の運賃についてもその金額が注視されている。いったいなぜか。

青函フェリーの魅力と漂う地元感

青函トンネル(画像:写真AC)
青函トンネル(画像:写真AC)

 フェリーは、自動車でなければアクセスがいささか不便だが、それを差し引いても料金の安さは魅力的だ。ビジネスで津軽海峡を往復する機会が多いという青森県民に聞いてみたところ、

「市街地から離れてはいるものの、2000円台で利用できるフェリーがあるのに、新幹線を利用する必要がありません。なにより、フェリーは24時間運行されているので終電を気にしなくて済みます」

と話してくれた。

 筆者はオフシーズンに青函フェリーを利用したが、地元感のある人たちは、確かにいち早くスペースを確保すると、すぐに寝転がって寝息を立てていた。

 利用低迷に苦しむ北海道新幹線は、インターネット販売による割り引きの実施など、利用者拡充の策を次々と打ち出している。しかし空路が発達した現在、割安感のない新幹線に魅力は感じられない。また、津軽海峡両岸の交流においても料金ゆえに敬遠されている。

 ならば考えられる手は、新青森~新函館間での

「大幅な値下げ」

だろう。

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