相鉄・東急直通開業が「私立中学受験」に影響? 開業記念ムービーに見る、相鉄の生産年齢人口“囲い込み戦略”とは

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相鉄HDの記念ムービー「父と娘の風景」が、国内外で好評を博している。このムービーには相鉄が期待する「沿線住民像」が凝縮されているのをご存じだろうか。

私立中学受験の「進学地図」に影響

中学受験のイメージ(画像:写真AC)
中学受験のイメージ(画像:写真AC)

 相鉄沿線に不動産を求め、転入してくる人たち。想定されるイメージが、記念ムービーに象徴されるような「子育て中の若いファミリー」だ。

 事実、相鉄沿線では私立中学の受験ニーズが高まりつつあるという。進学塾大手の担当者は

「相鉄・東急の直通開業を見越してか、この数年、相鉄沿線の教室に通う生徒が増えつつある」

と明かす。

 神奈川県は中高一貫校を受験する小学生の割合が高い。30%超の東京には及ばないものの15%程度をキープしており、1クラスに5~6人は受験生がいる計算だ。

 なかでも横浜市は受験熱が高い。ただし地域差があり、市教育委員会の進学状況調査によれば、東急東横線、田園都市線の沿線の港北区、青葉区は20%台なのに対し、相鉄沿線の泉区や瀬谷区などは10%を下回っていた。

 私立校は東京都内、とりわけ東急目黒線から直通する東京メトロ南北線、都営三田線の沿線の文京区や豊島区に多く、交通利便性が一因だったことがうかがえる。その「進学地図」が、直通を機に大きく変わろうとしているわけだ。

東急直通を導いた過去の教訓

映像に登場する三世代の車両(画像:相鉄ホールディングス)
映像に登場する三世代の車両(画像:相鉄ホールディングス)

 相鉄は1995(平成7)年から10年にわたり、輸送人員の減少が続いた。東京に直結していなかった立地条件は、少子高齢化などを背景にした

「縮小する地域」

の現実を経営陣にいち早く、強く実感させた。その教訓が、今日のJR、東急直通を導いたといわれる。

 相鉄線の車内モニターでは記念ムービーのほかに、小学生ぐらいの子どものいる夫婦が沿線で暮らす風景も映し出されている。平日夜の食卓を囲む家族の姿は通勤時間の短さを意味し、休日に沿線を散策する様子は住環境の良さを強調している。

 記念ムービーで描き出された「父娘の成長」は、鉄道事業者の目線で説明すれば、

「定期利用の期待できる生産年齢人口が、継続的に沿線に居住する」

ことを意味するわけである。

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