スターフライヤー3年3か月ぶり黒字転換に見る、シン「プレミアム・エアライン」誕生の兆し 大手との価格競争乗り越えられるか

キーワード :
,
スターフライヤーが2023年1月に発表した2022年度の第3期四半期は、3年3か月ぶりに黒字に転換した。その背景に迫る。

「提供する価値」を貫徹

「FLY WITH PET!」オリジナルペットグッズ(画像:スターフライヤー)
「FLY WITH PET!」オリジナルペットグッズ(画像:スターフライヤー)

 このサービスのためには、運用開始までに検証フライトを2回行い、その結果から、登場導線を分離し、ペットが搭乗する際には毛が飛散しにくい「専用ケージ」まで用意している。

 さらに、10月からの拡大時にはペットグッズブランドとのコラボ商品も発売し、「単なる1~2席の空席カバー」以上の継続姿勢が伺える(公式オンラインショップは2023年2月閉店)。

 2012(平成24)年12月、ANAが筆頭株主になってから経営トップが3人交代したが、スターフライヤーの創業時からのプレミアム戦略は継続された。コロナ禍と燃料高においても高いサービスレベルを維持し、ペット同伴搭乗などの新機軸を打ち出した上での今回の黒字転換である。現場の努力は想像を超えるものだろう。

 この数年の長い苦難の時期を経て、ようやく回復に転換しつつある航空需要。そのなかで、幾度の社長交代を経ながらも独自の「提供する価値」を貫いたスターフライヤー。

 大手航空会社とのさらなる価格競争という新たな暗雲を無事に抜けでたときこそ、世界でも珍しい、真の「プレミアム・エアライン」が誕生するのでは、と期待する次第だ。

全てのコメントを見る