スターフライヤー3年3か月ぶり黒字転換に見る、シン「プレミアム・エアライン」誕生の兆し 大手との価格競争乗り越えられるか
スターフライヤーが2023年1月に発表した2022年度の第3期四半期は、3年3か月ぶりに黒字に転換した。その背景に迫る。
定時到着率は「世界1位」

スターフライヤーは、創業当初から業績以上にその独自性が話題を呼んだ。
それは高級感にとどまらず、2019年まで11年間連続でJCSI(日本版顧客満足度指数)国内長距離交通部門顧客満足第1位獲得という結果に表れている。一方、その顧客本位は経営を圧迫し、赤字の期間も長期にわたることから、厳しく評価する投資家も多い。
スカイマーク、エア・ドゥの2社に至っては一度、経営破綻すらしている。対抗するJAL、ANAの2社が価格面でもさまざまな施策を打ち出し始めると、LCCである新航空会社の経営は非常に難しいのが実情だ。
そのようななか、スターフライヤーは当初の「提供する価値」が変わることなく、赤字ながらも経営破綻は免れている。
スターフライヤーは、エアラインで最も重要な安全面では堅実だ。2022年に機体の揺れによる乗客の負傷が認定されているものの、それまでは創業以来、重大インシデント(運航障害)はゼロだと報告されている。
また、先述の顧客満足度指数の1位こそ、2020年と2022年にスカイマークへ譲ったものの、2022年1~12月の定時到着率では95.23%と
「世界1位(Cirium社調査LCC部門)」
として認定を受けた。