バイク業界を襲う「2035年問題」 ガソリン車“新車販売ゼロ”が導く行方は天国か地獄か、メーカー「EV一辺倒打破」発言に見る正しき未来像とは
東京都は、電動バイクや燃料電池バイクなど、走行時に排気音や排出ガスを出さない二輪車をゼロエミッション・バイクと定義づけている。今後、業界はどうなるのか。
「EVしか語られない現状を打破する」

ウェブメディア「WebCG」に掲載された、EICMA 2022でカワサキモータース先進技術・CN総括部長の松田義基氏へインタビュー(2023年1月6日配信)した際のコメントが興味深い。松田氏は
「二輪におけるカーボンニュートラル実現において、EVしか語られない現状を打破するため、EVを含めた多様な選択肢を提案する」
「カワサキの先進性をアピールするため」
と、水素エンジンの開発に意欲的な姿勢を見せている。
カワサキの水素に着目した技術開発の取り組みは、ゼロエミッション社会における明るい未来を期待させる。EVバイクは近距離利用を守備範囲とし、HEVバイクが長距離需要を受け持つ。
松田氏も同記者に、
「EVバイクは、航続距離とバッテリー容量、それに充電時間を考えるとコミューターに限定される」
「でも、バイクに乗って郊外に出掛けたいという要求は出てくるでしょう。そこで考えたのがHEVです。モーターとエンジンを、走行状況に合わせて使い分けたり一緒に使ったりすることで燃費を改善するとともに、エンジンともモーターとも違う、HEVにしかない乗り味をつくり上げることができるんです。すでに1000ccエンジン車並みの加速を実現していますが、そのフィーリングはエンジン車とは違います」
と語っている。HEV技術が持つ燃費向上性は貴重だ。
EV、HEV、水素エンジンどれをとっても魅力と解決すべき問題点が混在しており、脱炭素社会におけるバイクの姿はまだはっきりしない。それぞれのエンジンが持つ特色を生かした、魅力あるバイクがさっそうと走る未来に期待しよう。