カンタス航空の2025年「世界最長航空路線」は成功するか? エコノミー席で“20時間拘束”という非現実性、燃費パフォーマンスも大丈夫か

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オーストラリアのカンタス航空が2022年5月、“世界最長路線”となる定期便を2025年末に就航すると発表した。フライト時間は約20時間。成功するのか。

20時間飛行に耐えられるか

カンタス航空の定時性実績(画像:カンタス航空公式ツイッター)
カンタス航空の定時性実績(画像:カンタス航空公式ツイッター)

 今回の路線に使用する機材は特注のA350型機(A350-1000)で、客室は

・ファーストクラス:6席
・ビジネスクラス:52席
・プレミアムエコノミークラス:40席
・エコノミークラス:140席(3-3-3の座席配置)

の全238席となっている。超長距離路線用として、エコノミーの割合を減らし、プレミアムクラスを多く配置していることが特徴だ。

 また、快適で健康な機内環境のために「ウェルビーイング・ゾーン」という名の、乗客がストレッチや軽い運動などができるエリアが設置される予定だ。無料Wi-Fiも完備しており、長時間フライトでも快適に過ごせるようにする狙いだ。

 そんなよいことずくめに見える直行便だが、実際に20時間という間、ひたすらイスに座ることは可能なのだろうか。例えばファーストやビジネスクラスなら、フルフラットで横になれるため、休息も取れて長時間のフライトでも疲れは少ないだろう。またキャビン内を運動がてら歩くことで、機内でリフレッシュできる。

 だが、エコノミークラスの場合はどうだろう。実際に想像してみてほしいだが、自宅や会社のデスクに朝8時から明け方の4時まで、トイレ以外の時間ずっと座っていられるだろうか。どんな飛行機好きでも、狭い空間に長時間「座ったまま」は精神的に厳しい。ましてや、真横には他人が座っているのだ。

 寝て、食べて、映画を見て、また寝て……と時間をつぶしても、20時間は想像以上に長い。脱水症状やエコノミー症候群の予防など、体調面にも注意が必要だ。

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