JR北海道の「株」が、たったひとつの独立行政法人に占められている理由

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JR北海道の株式は独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構がその100%を所有している。いったいなぜか。

政府の管理下にある2社

札幌駅(画像:写真AC)
札幌駅(画像:写真AC)

 鉄道・運輸機構は2003(平成15)年、日本鉄道建設公団(鉄道公団)と運輸施設整備事業団(運輸事業団)の業務を継承する形で発足した法人である。所管は国土交通省で、政府が100%出資をしている。つまり、JR北海道とJR四国は「株式会社」の看板を掲げているものの、実際は

「政府の管理下」

にあるのだ。

 政府の管理下にあることを如実に示すのは人事である。例えば、2022年5月にJR北海道では綿貫泰之副社長が社長に昇格する人事が発表されているが、これは政府の閣議で了解を得た後、取締役会で正式決定という手順をとっている。この法的根拠となっているのが「JR会社法(旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律)」だ。

 この法律は民営化を控えた1986(昭和61)年に定められたもので、

・JR各社が代表者の選任など人事面で政府(現在は国土交通大臣)の認可を必要とすること
・事業計画も認可が必要なこと
・政府が業務に必要な命令を行うこと

を示している。つまり、政府が民営化後のJR各社をコントロールするために制定したのがこの法律というわけだ。

 国鉄分割民営化によって生まれた各社だが、一夜で公共企業体から民間会社になったわけではない。実際に民営化を達成するには、長い時間が割かれている。これは、ほかの三公社(国鉄・電電公社・専売公社)なども同様で、新会社発足後、経済状況をみながら株式を売却するというプロセスを経ている。

 当初、JR各社は日本国有鉄道清算事業団(国鉄清算事業団)がすべての株式を所有する特殊会社となっており、本州三社の株式売却が決定するまでには数年を要した(当初1991年を予定していたが延期)。

 1993年10月にJR東日本株250万株が売却されたのを皮切りに、1996年10月にJR西日本株の、1997年10月にJR東海の株式が売却され三社は上場を果たした。1998年10月に国鉄清算事業団が解散すると、残りの保有する株式は日本鉄道建設公団が引き継ぐことになった。

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