プレミアムクラスにお得に乗れる? 航空会社の「入札アップグレード」は期待の収益源となるか
形式はオークション

オークションを使って、購入済みのエコノミークラスからプレミアムエコノミークラス、ビジネスクラスへアップグレードできるのをご存じだろうか。「入札アップグレード」というシステムだ。
2018年に全日本空輸(ANA)が「Bid My Price」、2020年には日本航空(JAL)が「JAL入札アップグレード」という名前で有償サービスを始めた。これにより、マイルを持たない利用者でもプレミアムクラスがお得に購入できるようになった。
今回はサービス開始の背景を探る。
航空会社は利益増

入札アップグレードのシステムはシンプルで、基本的には
「プレミアムクラスに空席が多いとき」
に行われる。航空各社によって詳細は異なるが、約1週間前に対象者へ入札案内メールが送られる。アップグレードを希望する際は、航空会社が設定した最低金額以上で入札する。
例えば最低金額が3万円なら、3万円以上の落札できそうな金額を設定する。あとはフライト24時間前に届く結果を待つだけだ。入札に成功すれば、エコノミークラスに数万円プラスしたお得な価格で、プレミアムクラスのサービスを楽しめる。日系以外の外資系航空会社では
・エティハド航空
・エアカナダ
・ルフトハンザ航空
・ハワイアン航空
などが入札アップグレードを採用している。
筆者(加藤舞、海外旅行ライター)は先日、クロアチアから一時帰国した。今回利用したのはポーランド航空(LOT)だったが、合計3回のメールが届いた。
日本行きの往路フライトはエコノミークラスの空席が多く、アップグレードのメリットが感じられなかったため、利用しなかった。だが、復路の日本~ポーランド線は15時間超えのロングフライトのため、入札アップグレードを検討中だ。ちなみに、プレミアムエコノミーへの最低入札金額は205ユーロ(約2万9000円)、ビジネスクラスでは575ユーロ(約8万1000円)となっている。
航空会社によって異なるが、入札アップグレードの落札に成功した場合は主に
・クラスに準じたラウンジの利用
・クラスに準じた荷物個数と重さ
・クラスに準じた機内サービス
・優先チェックインや搭乗サービス
といった特典を受けられる。ただ注意したいのは、
・マイル積算数は予約時のクラスから変更されない航空会社が多い
・事前座席指定が不可能
ことだ(オンラインチェックイン時には可能)。
また同行者と同じ予約番号の場合、一緒に入札する必要があり、片方のみ入札する選択はできない。さらに、団体旅行運賃や特典航空券といった割引率の高い航空券には利用できないので、アップグレードを考えている人は購入前に確認することをおすすめする。