全国で進む「無人駅」活用! 文化発信狙うも、ベストはやはりコンビニか
群馬県にはグランピング施設誕生

成功事例は、JR上越線の土合駅(群馬県みなかみ町)だ。
同駅は無人駅にもかかわらず知名度が高く、利用者も多い。登山者に人気の谷川岳の玄関駅として駅で寝泊まりする人も多く、さらに下り線が地下約70mの新清水トンネル内にあり、462段の階段を上らないと駅舎にたどり着けない珍しい駅でもある。
土合駅は1985(昭和60)年から無人駅になっていたが、2020年に駅務室を改装してカフェが開業。さらに、JR東日本などの協業でグランピング施設「DOAI VILLAGE」がオープンしている。
グランピングとは「グラマラス」と「キャンピング」を掛け合わせた造語で、ホテル並みの設備やサービスを使いながら、自然のなかで過ごすキャンプを指す。
宿泊客は年間2000人超で、リピーターも多い。また、朝市や夜市が開かれるイベントスポットとしても機能している。この盛況により駅周辺にはカフェが出店するなど、無人駅の活性化が新たなにぎわいを創出している。
理髪店が入居する駅も

一風変わった活用例では、JR小浜線の加斗駅(福井県小浜市)がある。駅舎に入居しているのは「ヘアーサロンつかもと」という理髪店だ。
もともとこの理髪店は駅の向かいにあったが、1995(平成7)年に立ち退きを迫られた際、JR西日本の社員から提案された。既に無人駅となっていた駅の切符販売や駅舎管理を委託する条件で移転した。
理髪店や美容院、喫茶店などの商店が無人駅に入居している例は、ほかにもいくつかある。また簡易郵便局も定番だが、過疎地では人員確保が困難になっている。
由利高原鉄道の子吉駅(秋田県由利本荘市)の駅舎には玉ノ池簡易郵便局が併設されているが、職員の確保が困難となり、2017年7月に再開されるまで1年半にわたって閉鎖されていた。無人駅の活用には
「必要人員をどう確保するか」
も課題となっているのだ。