見た目は星型6気筒、実は米製「高機能コンプレッサー」 屋外で活躍も、表舞台からひっそり姿を消したワケ
空気を圧縮し、さまざまな機器の動力源とするための産業機械コンプレッサー。その歴史の中には、今はもう見ることもできないユニークな個体も存在していた。
50年代に誕生したユニークな製品とは
ただしコンプレッサーの長い歴史の中には、今となっては見ることもできないユニークな個体も存在していた。
今回紹介するアメリカ製のインガーソルランド3-R-36型コンプレッサーも、まさにそんな1台だと言って良いだろう。
インガーソルランド3-R-36型コンプレッサーは1950年代初め、可搬式すなわち台車などに載せた状態で軽便に移動可能、かつ発生空気圧に十分な能力を持たせることがこのコンプレッサーとして開発された。
インガーソルランドというのは、高性能なコンプレッサーを製造することでは定評があった名門である。
一方、この製品を見て誰しもが思うのは、とてもコンプレッサーには見えないということだろう。
しかしこれもまた、構造的にはエンジン駆動のレシプロピストンタイプである。それでは、具体的にはどういう構造になっていたのだろうか?
まず駆動用エンジンだが、斜め上に向かって排気管が出ている部分がシリンダーヘッドに相当している。
排気管の数は三つ。すなわち3気筒ということである。
クランクシャフトのレイアウトは垂直。その周囲に三つの空冷シリンダーがレイアウトされているという、いわゆる星型エンジン(欧米での呼称はラジアル/放射状エンジン)となっているというわけである。