日本国民は財務省の「ATM」なのか? 消えた自賠責積立金6000億円、4月からの「保険料値下げ」にも騙されるな

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結局、2022年も財務省は日本国民の自賠責保険の積立金6000億円を完済しなかった。

15年間、1円も返さなかった財務省

事故を起こした自動車(画像:写真AC)
事故を起こした自動車(画像:写真AC)

 損害保険料率算出機構による保険料の値下げと、財務省が一般会計に借り入れたが(本来は「一般財源に繰り入れ」)、返さない6000億円とは別の話である。

 2017年までの15年間、借りた6000億円を一切返さなかった歴代内閣および財務省――。それも「返せなくて申し訳ない」ではなく第2次安倍内閣当初の麻生太郎財務大臣は

「返済拒否」

であった。

 しかし鈴木俊一財務大臣は2022年11月11日の会見で「申し訳ない」と謝罪した。「1回でお返しするのは無理」とも釈明した。つまり、財務省はついに

・6000億円を返済していない
・現時点で完済できない

ことを認めたのだ。

 2017年までには返すと約束したはずが、財務省は15年間1円も返さなかった。さすがに国民の自賠責を預かる国土交通省はもちろん、交通被害者の団体や日本自動車連盟(JAF)などの組織に追求されて、2018年度から返還(本来は「繰り戻し」)し始めたが、その額わずか

「23億2000万円」

だった。この時点で毎年23億円なら

「約260年」

かかる計算であり、完済は23世紀となる。なんだかSFかファンタジーの話をしている感覚に陥るが、こんな返済を本気でしているのがこの国の財務省である。おそらく現世を生きる誰ひとり、この完済を見届ける者はいないだろう。

 さすがに批判が強まり、2022年度は補正予算を合わせて

「66.5億円」

の返済となったが、これでも完済には22世紀までかかる。赤ん坊は知らないが、間違いなく現在の財務省職員はほぼ生きていない。自賠責を負担する国民もほぼ生きていない。ふざけて書いているのではなく、本当にこの国の政府および、財務省がふざけた返済を続けているという事実を書いている。そしてシンプルに「返せば済む話」である。

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