織田信長は一流の物流マン? 16世紀に「国道」「県道」を整備、税関撤廃で流通を活性化させた立役者だった
戦国時代、武将たちはただ戦いばかりをしていたわけではない。織田信長の交通インフラ整備と「税関」撤廃に注目してみる。
「税関」なくし、流通活性化

そして、この交通インフラ整備と合わせ、信長は関所の撤廃にも踏み切っている。関所というと、どうしても江戸時代の箱根などの関所のイメージが先行して、「入り鉄砲に出女」を監視するための関所を思う人が多いだろうが、戦国時代にあった関所は、監視のための関所ではなく、関所を通る商人たちの商品に税をかけるための関所で、文字通りの「税関」だった。
当時は、荘園領主が、自分の荘園内に街道が通っていれば、勝手に関所をつくり、通行する商人から税を巻き上げていた。商人たちは関所を通るごとに税を支払わされることになり、その分を商品代に上乗せして売るわけで、その分値段が高くなり、売れなくなる。信長は、そうした関所があるために商品流通が停滞しているとみて、その撤廃に踏み切ったわけで、時代の先取りをしたことが分かる。信長の旗印が、当時の一般的通貨である「永楽通宝」だというのも納得がいく。市場経済を重視していた証しだ。
交通インフラ整備の重要さは現代の常識であるし、「税関」をなくして商品流通を活性化していくことは、自由貿易の先駆けともいえる。信長は、戦いの場以外でも、時代の先端を走っていたのである。