「都電荒川線」はなぜ残されたのか? 素朴なギモンに回答する

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荒川区の三ノ輪橋停留場から新宿区の早稲田停留場までを結ぶ荒川線は、唯一現存する都電だ。いったいなぜ残ったのか。沿線のグルメとともに紹介する。

元々四つあった名前

都電荒川線。2020年撮影(画像:下関マグロ)
都電荒川線。2020年撮影(画像:下関マグロ)

 ほかにも、なぜ都電「荒川」線なのかという疑問もある。

 都電荒川線は三ノ輪橋から早稲田までの全長12.2kmを走り、

・荒川区
・北区
・豊島区
・新宿区

の四つの区を通る(そのうち、約3分の1は豊島区を通る)。30ほどある停留所で荒川区の停留所は13と最も多いが、それだけの理由なのだろうか。

 これについては、都電荒川線の成り立ちについて知る必要がある。都電荒川線の前身は1910(明治43)年創立の王子電気軌道だ。東京市が同社を1942(昭和17)年に買収し、市電となった。

 こういった経緯から、当時を知る人たちのなかには

「王子電車(通称:王電)」

と呼ぶ人もいる。この王子電気軌道を基に、

・都電27系統(三ノ輪橋~荒川車庫~王子駅前~赤羽)
・都電32系統(荒川車庫前~王子駅前~大塚駅前~早稲田)

として営業された。

 1972年11月時点で、都電のほとんどの系統は廃止された。前述のように、27系統と32系統も最初は廃止する方向だったが、2年後の1974年、32系統の全線と27系統の王子~赤羽間以外は正式に存続が決まった。

 このときに27系統と32系統が統一され、都電荒川線という名称が付けられた。もっとも、これは乗降客に案内するための名前であり、正式名称は別にあった。路線は四つにわかれていて、それぞれ

・三河島線(三ノ輪橋~熊野前)
・荒川線(熊野前~王子駅前)
・滝野川線(王子駅前~大塚駅前)
・早稲田線(大塚駅前~早稲田)

という名前だった。これが1995(平成7)年度から、書類上の正式路線名も「荒川線」に統一されたのだ。

車両を眺めてコーヒーが飲める店も

焼きそばと手作りおはぎがセットになった、甘味処いっぷく亭の「こだわりセット」(画像:下関マグロ)
焼きそばと手作りおはぎがセットになった、甘味処いっぷく亭の「こだわりセット」(画像:下関マグロ)

 都電荒川線の乗降客は少しずつ減少しているので、筆者はもっと多くの人に乗ってほしいと思っている。ただ、何か目的がなければならないので、沿線のお店をひとつ紹介したい。

 それは、庚申塚停留場(三ノ輪橋方面)のホームに直結している「甘味処いっぷく亭」だ。ここは、コーヒーを飲みながら都電荒川線を眺められるスポットとして知られている。早稲田に住んでいるとき、何度かふらりと訪れたことがある。一番人気のメニューは、焼きそばと手作りおはぎがセットになった「こだわりセット」(990円)だ。

 11月中旬、筆者は久しぶりに店に足を運んでみた。焼きそばは現在、太麺か細麺かを選べるようになっていた。太麺を食べたがとてもおいしかった。おはぎは昔と変わらず、甘過ぎず食べごたえがあった。席から都電荒川線を眺めていると、当時の記憶がよみがえってきた。会計時に創業を聞いてみたところ、1991(平成3)年とのことだった。さほど昔ではないが、それでも31年たっているのだ。

 都電荒川線は乗っても見ても楽しい。ちなみに現在、筆者は三ノ輪橋停留場まで歩ける場所に住んでいる。

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