赤字ローカル線「存続か否か」の二元論ばかりで見えぬ未来 国・自治体に依存しない新たな存続策が必要だ

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赤字ローカル線が走る地域では、JR東日本の11月収支公表を受けてどのような対応を始めているのか。公表は全国的に報道されるものの、各地域での取り組みはあまり広く知られていない。

常態化するローカル線の赤字

ローカル線のイメージ(画像:写真AC)
ローカル線のイメージ(画像:写真AC)

 ローカル線の赤字が深刻な問題としてクローズアップされるなか、沿線自治体を巻き込んだ議論が本格化しようとしている。ここ1年あまりの間、各地の赤字ローカル線で存続、廃線、バス転換をめぐってさまざまな意見が交わされていることは、既に知られる通りだ。

 JR東日本が2022年11月、利用者の少ないローカル線に関する2021年度の収支状況を公表した。そして、輸送密度2000人未満だった35路線66区間(2019年度実績)が全区間赤字という結果が判明した。

 6月に公表された収支では、この66区間は2019年度、2020年度ともに全区間赤字だった。つまり、既に長期間にわたって赤字が常態化しているのだ。そんななか、7月の国土交通省の有識者検討会では

「輸送密度1000人未満を目安に国主導で自治体や鉄道会社と協議会を設置し、バスなどへの転換を議論する」

という提言もまとめられている。

 国鉄分割民営化の時に「ローカル線廃止はありえない」と明言されていたことを考えると、廃止・バス転換の可能性も含んだ議論には割り切れないものも感じる。とはいえ、公共企業体ではなく、民間会社であるJRが責任を負いきれないのも事実だ。

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