赤字ローカル線「存続か否か」の二元論ばかりで見えぬ未来 国・自治体に依存しない新たな存続策が必要だ

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赤字ローカル線が走る地域では、JR東日本の11月収支公表を受けてどのような対応を始めているのか。公表は全国的に報道されるものの、各地域での取り組みはあまり広く知られていない。

JR各社・国土交通省の「建前」

ローカル線のイメージ(画像:写真AC)
ローカル線のイメージ(画像:写真AC)

 結局のところ、2022年に注目が集まったのは、赤字ローカル線は存続させる価値があるのかないのかという、素朴なものばかりだった。

 そもそも、JR各社が赤字ローカル線への対応に本腰を入れるようになったのは、

「新幹線や大都市の黒字路線の収益でローカル線を維持する」

という、これまでのビジネスモデルがコロナ禍で崩壊したことに尽きる。

 JR東日本は10月31日に発表した2022年9月中間連結決算で純利益が271億円となり、3年ぶりの黒字になった。全国旅行支援などで利用者が戻り、今後の回復も期待される。ただ、今後の少子高齢化を鑑みると乗客が減ることは確実だ。そのため、JR東日本は鉄道収入とそれ以外の収入の割合を、現在の7対3から

「5対5」

に変えるため、不動産や駅ビル事業の強化を図っている。赤字ローカル線の収支公表は、赤字部門の廃止という役割もあるのだ。

 これまで、JR各社、国土交通省ともに

「赤字路線イコール廃止ではない」

といっているが、選択肢として鉄道以外の手段も含めて検討することを求めている。ようは、公共交通機関としての責任ゆえ、頭ごなしに廃止を宣言できないが、できるものならば廃止したいという意図があるのだ。

 これに対して赤字路線沿線では、存続を前提とした話し合いをJRに求める意見が圧倒的である。既に半年以上、この問題が続いているにもかかわらず、立場のずれが解消できていない。この状況で、赤字路線の今後に向けた話し合いはできるのだろうか。

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