昭和20年代の「動力耕運機」に致命的欠点! 田んぼで使いたいのに「防水」不十分、いったいなぜなのか

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日本の農作業を支える動力耕運機。昭和期に国産化が試みられたが、初期の製品は思わぬ欠点を抱えていた。

水田耕作の多い日本ならではの課題

水田耕作のイメージ(画像:写真AC)
水田耕作のイメージ(画像:写真AC)

 クボタの場合も可動部分の防水が可能となり水田対応となったのは、K3の後継機種であるK5からのことであり、水田での代掻(しろか)き作業に動力耕運機が使われ始めたのは、昭和20年代も後半になってからのことだった。

 こうした機械そのものに関する事情は、水田耕作がその作業の多くを占めていた日本ならではのことであり、諸外国ではほぼ顧みられることはなかった。すなわち日本における農作業用機械は、最初から困難な条件が課されていたということである。

 もうひとつ、上記の2台のK3の中で、農用発動機の代わりに電動モーターを搭載している個体の正体だが、こちらは戦後すぐのガソリン統制期において農発の主要燃料だった灯油も含めて、不安定だった燃料供給体制に対して考案されたものだった。

 ちなみに電動とはいえバッテリーを搭載しているわけではなく、圃場(ほじょう)横の電源を利用した有線電動だったことに注意する必要がある。

 こうした考えは、たとえば圃場近くに揚水ポンプその他の使用を想定した三相交流電源が引かれていた箇所などでは、有効に活用することができた。

 もちろんこうした設備は少数であり、全ての地域で使われたわけではない。

 太平洋戦争終結直後のガソリン統制時代には、内燃機関自動車に代わって電気自動車が登場していたこともあり、農機の電動化もまたある意味時代の要請ゆえの苦肉の策だった。

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