時刻表トリックが使えない? 昭和・平成人気の「鉄道ミステリー」がいまや瀕死状態なワケ

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鉄道ミステリーは昭和・平成時代に人気だったが、現在衰退の一途をたどっている。その背景にはいったい何があるのだろうか。

鉄道ミステリーが衰退したワケ

はやぶさ(画像:写真AC)
はやぶさ(画像:写真AC)

 20世紀は鉄道ミステリーの隆盛期だったが、21世紀に入ると衰退の一途をたどる。最大の要因は2時間ドラマ番組の相次ぐ打ち切りだ。民放BSの開局などで多チャンネル化が進み、視聴率が低下し、歯止めがかからない(視聴率は1%につき約15万人)。

 往時のゴールデンタイムは12%が御祝儀相場、15%以上が高視聴率番組とされ、20%以上だとテレビ局は司会者、主演俳優や女優を「数字(視聴率)が取れる」と注目する。今や毎年視聴率20%以上が期待できるのは、大みそかの『NHK紅白歌合戦』のみであろう。さらに近年はTVerなどによる無料見逃し配信サービスの台頭、有名人のYou Tubeチャンネル開設が相次ぎ、テレビの必要性が薄らぎつつある。

 次の要因は、犯罪の凶悪化や安全面の設備投資だ。駅や車内に防犯カメラの設置が進んだ影響で、時刻表トリックが使いづらくなってしまった。

 例えば、仙台市内で殺人事件が発生し、犯人が「東京から山形まで山形新幹線「つばさ」に乗った」と主張したとしよう。今や時刻表トリックを使う必要性がなく、刑事は防犯カメラで確認するだろう。

「つばさ」の車内に設置されている防犯カメラで犯人が映っていないことを確認後、東北新幹線「はやぶさ」の車内、東京駅、仙台駅、山形駅の防犯カメラを調べたところ、犯人が映っていた。東京から「はやぶさ」に乗り、仙台市内で殺害後、仙山線で山形に向かっていたのだ。

 確かな物的証拠がある以上、犯人は言い逃れができない。そうなると、鉄道ミステリーは30分番組で済んでしまう。

『西村京太郎トラベルミステリー』の晩年は、時刻表トリックが影を潜め、“普通の刑事ドラマ”と化していた。

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