東京~成田が20分台に? コロナにあえぐ京成電鉄の“時速200km”逆転シナリオをご存じか

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2年連続赤字にあえいでいる京成電鉄。ドル箱路線「京成スカイライナー」を回復させて安定経営へと移行する処方箋はあるのか。

2029年に発着枠50万回目指す成田

京成曳舟駅付近の京成3800系(画像:写真AC)
京成曳舟駅付近の京成3800系(画像:写真AC)

 その後のワクチン接種が功を奏し、2022年夏ごろからコロナまん延に歯止めがかかり出すと、政府は景気浮揚策に本腰を入れ、その最右翼として旅行需要喚起戦略を推進した。同年10月には「県民割」など旅行支援策が始まり、並行してインバウンドに対する水際対策も事実上解禁した。

 京成にとっては待ちに待った成田の復活でドル箱SKLの再起に望みを託しているはずだ。しかも絶妙のタイミングでSKLの機能強化を訴える動きも出始めている。

 政府が唱える「インバウンド2030年に6000万人」の一大戦略に基づき、国交省が設置した首都圏空港機能強化技術検討小委員会は2016年に検討結果を踏まえた上で、6000万人の受け皿として、首都圏の羽田、成田両国際空港のさらなる機能強化を提言した。

 また、具体的に両空港で年間100万回の発着枠(スロット数)、うち成田が半分の「50万回」の確保を目指すとしたが、実はこのときのプランが事実上成田拡張構想のベースとなっている。

 そしてこれを逆算する形で、2029年度までに滑走路増設や既存滑走路の延伸など空港機能を強化して、成田の年間発着枠を今の30万回から50万回に大幅に増やす、というシナリオが粛々と進められているのである。

 翻って年間50万回となれば、京成やJR東日本が擁する成田空港アクセス線の輸送能力も単純計算で現行の1.6倍増量が求められる。こうした需要予測をたたき台に、運輸総合研究所(JTTRI)は成田空港鉄道アクセス改善に向けた有識者検討会を発足し、2022年7月に提言をまとめている。

 これによると京成の場合、SKLの混雑率が100%を超え「満員で乗れない」が常態化すると予測し、現在の8両編成を9両編成にしたり、1時間当たりの運行本数を今の3本以上にするため、成田付近の単線区間(成田湯川駅~成田空港駅)を複線化したりするなどの対策が必要と指摘する。

 一方、都心側の受け皿拡大にも言及し、現行ではダイヤが過密状態であることや、ホーム増設も物理的に至難の業であることを考慮して、比較的ダイヤに余裕のある押上線を活用すべきと強調している点が注目だろう。

 同線は京成本線青砥駅(葛飾区)から分岐し、荒川を渡って墨田区に入り、東京スカイツリー直下の押上駅、さらに都営浅草線へと相互乗り入れする路線である。

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