市販車なのに年間生産わずか100台! 1960年代のアメリカで流通していた「ドラッグレーサー」をご存じか

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現代では考えにくい特異なモデルの自動車が販売されてきた自動車史。そのひとつ、60年代アメリカに登場した「市販ドラッグレーサー」は、年間生産わずか100台という極めて稀な市場展開がなされたもでるだった。

市販車そっくりのレース車が人気に

1963年型ダッジ330マックスウェッジラムチャージャー。このルックスからは、ボンネットの中に収っているのが425hpのレース用エンジンだとは誰も思わないだろう。主要なボディパーツやバンパーはアルミ製である。レースカーにならずにノーマルのまま残っている個体は希少(画像:守山進)
1963年型ダッジ330マックスウェッジラムチャージャー。このルックスからは、ボンネットの中に収っているのが425hpのレース用エンジンだとは誰も思わないだろう。主要なボディパーツやバンパーはアルミ製である。レースカーにならずにノーマルのまま残っている個体は希少(画像:守山進)

 過去の長い自動車の歴史を振り返ると、その中には現代では想像だに出来ない特異なモデルが存在していたことに驚かされる。

 そうした例の代表に相当するのが「市販ドラッグレーサー」に他ならず、特にこうしたモデルは1960年代半ばのアメリカ車で見ることができた。これはどういったことが動機になっていたのだろうか?

 1960年代に入って間もなく、アメリカにおける有力なドラッグレース運営団体だったNHRA(National Hot Rod Association)は、市販車を無改造もしくは小改造のみでレースカーとして使用するストック/スーパーストッククラスを、それまでのレース初心者向けの入門カテゴリーから、メインイベントに近い重要なカテゴリーとして位置づけたレースの主催を開始した。

 市販車に極めて近かったルックスのクルマが繰り広げる戦いに観客は熱狂し、週末のレースの後は街の自動車ディーラーにおける人の出入りにも影響があるとまでも言われた。

 すなわち、レースの結果が新車や中古車の販売台数に影響し始めたのがこの時代だった。

 正直、モータースポーツの結果がこれほど新車の販売に影響があるとはそれまで誰も考えてはいなかった。しかし、少なくとも見た目が市販車と同じクルマが大活躍するのを目の当たりにしたユーザーは、メーカー関係者が思う以上に「同じ見た目のクルマ」を欲しがることが顕在化したのである。

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