市販車なのに年間生産わずか100台! 1960年代のアメリカで流通していた「ドラッグレーサー」をご存じか
現代では考えにくい特異なモデルの自動車が販売されてきた自動車史。そのひとつ、60年代アメリカに登場した「市販ドラッグレーサー」は、年間生産わずか100台という極めて稀な市場展開がなされたもでるだった。
レースエンジンを積んだ車が市場に
こうなるとメーカー側の対応にも変化が現われるのは自明の理。より多くの新車を売りたいと考えた自動車メーカーの多くは、ドラッグレースのストック/スーパーストッククラスに事実上のワークスマシンを送り込むこととなる。
とはいえ、当時のレギュレーションでは「市販品であること」が必須、かつレースエンジンに対して市販状態から手を加えることが認められていなかったため、入念に設計され組み立てられたレースエンジンを積んだ市販車が、年間100台程度販売されるという図式となったのである。
もちろん多いクルマの場合だと年間100万台は売り上げていたこの時代のアメリカ車である。年間100台程度では「市販した」という実績を積むだけの存在であり、実際には一般ユーザーが気軽に買えるようなものではなく、有力な契約ドライバー/チームにのみ指名で販売される例がほとんどだった。
ただし、こうしたメーカー純正の市販ドラッグレーサーが販売されていた1962年から1965年頃までの間には、何らかの理由で純然たる一般人の手に渡り、しかもレースカーとして使われることなく現在に至っている個体も数台というレベルで存在している。
ここで紹介するのは、そうした経緯で生存しているクルマであり、ある意味レースカーとして活躍した個体以上のコレクターズアイテムとなっている。
1台目は、1963年型ダッジ330である。
330というモデルはダッジのラインナップの中でも中核となるフルサイズのベーシックモデルであり価格も安かった。