ベトナム初の自動車メーカー「ビンファスト」が水害に強いEVをつくるワケ

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ベトナム初の国産自動車メーカー「ビンファスト」は最近、自国で「水害に強い」として注目されている。いったいなぜか。

東南アジアで頻発する都市型洪水

VinFastのVFe34 2022モデル(画像:VinFast)
VinFastのVFe34 2022モデル(画像:VinFast)

 ベトナム初の国産自動車メーカー「VinFast(ビンファスト)」は最近、自国で「水害に強い」として注目されている。同社が水に強い車をつくるのは、水害が多いという東南アジア特有の事情が関係している。

 近年、世界各地で異常気象が相次いでいる。ベトナムも2022年6月、首都ハノイで観測史上最大の局地的大雨が2回発生した。どちらもハノイ市内が広範囲で冠水し、多くの車やバイクが立ち往生し、ニュースになった。大雨は2時間で降水量100~150mmに達した。これは、日本の都市排水システムをもってしても限界を超える量だ(日本の下水道は1時間に50mmの雨に対応可能)。

 東南アジアは、多くの大都市が河川や河口付近に位置している。ハノイ市も漢字で

「河内」

と書くことからわかるように、紅河とトーリック川の内側に位置していたことが名の由来となっている。

 ハノイ市があるベトナム北部は亜熱帯性気候、ホーチミン市があるベトナム南部は熱帯モンスーン気候に属しており、どちらも雨期には降雨量が多い。東南アジアの多くの都市では、排水整備が完全に整っておらず、また河川にも近いことから、水害は身近な問題だ。国も排水整備計画を進めているが、5~10年計画で先は長い。

 今後も、地球温暖化の影響などで突発的な大雨が頻繁に起こることが予想されるが、自動車やバイクの移動が主なベトナムでは死活問題だ。局地的大雨のたびに自動車やバイクが水没して故障してしまい、人々の足が奪われるのだ。