ベトナム初の自動車メーカー「ビンファスト」が水害に強いEVをつくるワケ
防水規格を有するビンファスト

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ビンファストの電気自動車は、ベトナムで最も高い自動車規格のひとつとされている「IP67」防水規格を有している。IPは「Ingress Protection(侵入に対する保護)」の略で、国際電気標準会議によって定められた、電化製品などの防水・防じん性能を表す国際規格だ。人体・固形物体に対する保護と、水の浸入に対する保護の2種類の等級を数字で表している。
IP67では、水の浸入に対しての保護は「ある一定の時間(テスト方法は30分)で水中に没しても水が浸入しない」という数値で、最高等級(IP68)から2番目に高い数値となっている。継続的に長時間水面下での使用に適しているとは言えない。一定時間は水中で使用しても問題はない、というレベルだ。しかし、30分という時間は、道路冠水などの状況に遭遇した場合を想像すれば、十分な時間だと言える。
ビンファストはアジア地域ではベトナムのみでの展開だが、今後ほかの東南アジア諸国へ展開していく際には、「水に強い」点は大きなアピールポイントになってくるだろう。同社はアメリカやヨーロッパにも展開している。ヨーロッパでは「VinFast Smart Driving Package」として、ビンファスト電気自動車の予約をすると、購入時に1年間無料で自動車線変更アシストなど、最新のドライブアシストテクノロジーが使える特典が用意されている(725万ユーロ相当)。
アメリカではヨーロッパと同様の特典のほか、充電プランの特典もある。ビンファストの電気自動車を購入すると、3年間無料で無制限に充電ができる、あるいは、無料のレベル2の家庭用充電器のどちらかを選択できる。国土が広いアメリカならではの需要に応じたプラスアルファの特典だ。それぞれの地域の特性に合わせた強みを上手にアピールしていくことで、さらなる認知度と信頼性の向上につなげたいというメーカーの思いが伺える。同社の今後の動向に注目したい。