プレスリーも惚れ込んだ「超高級車」! かつての名車を蘇らせた、カリスマデザイナーをご存じか
リバイバルカーの伝説的存在とも言えるデザイナー、ヴァージル・マックス・エクスナー。1970年に誕生した「スタッツ・ブラックホーク」に、彼の情熱の軌跡をたどる。
プレスリーも見初めた超高級カー
スタッツ・ブラックホークは、1970年からの市販開始を目指して具体化に着手された。製造にあたっては、アメリカ国内より少量生産に適したカロッツェリアが多数存在していたイタリアで行う方が有利と判断され、小さな工房を買い取り、腕利きの職人を集めることで対処することとなった。
予定されていた販売価格は約2万ドル。ベースとなったポンティアック・グランプリが4000ドル弱だったことを考えると破格の高価格車だった。ボディ・内装ともに熟練の職人による完全な手作りとあっては、それもまた当然のことではあったのだが。
デビューと同時にそのクラシカルな風情とプレミアム性を高く評価されたスタッツは、主としてマニアックな大富豪とハリウッドスターが競って注文することとなった。
その初期の顧客名簿に名を連ねていたのは、ディーン・マーチン、サミー・デイビス.JR、そしてエルヴィス・プレスリーなど。プレスリーなどは特に入念に仕立てられていたプロトタイプを指名買いしたとも言われている。
ただし1980年代に入ると、ダウンサイジングの影響でややシルエットが崩れたこともあり、その人気には陰りが見えてくることとなった。
もともと最大でも年間400台程度の生産しか想定していなかったマニアックモデルとはいえ、注文が激減したことで次第に企業として成り立たなくなってしまっていったのである。
スタッツ・ブラックホークは、1988年にオドネルが高齢を理由にリタイアする直前の1987年まで細々と生産され続けた。そしてオドネルのリタイアから2年後の1990年に会社は売却され、現在では新たなオーナーの下で登記はされているものの、自動車メーカーとしてはほぼ休止状態となってしまっている。