石川さゆりも真っ青? 伊豆縦貫道完成に立ちふさがる、「天城越え」という名の最難関ルート

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沼津市から下田市までを結ぶ伊豆縦貫道の建設計画。思うように工事が進まないワケとは。なぜ「天城越え」は難しいのか、解説する。

伊豆半島南部が抱える問題点とは

伊豆の風景(画像:写真AC)
伊豆の風景(画像:写真AC)

 ここで、伊豆半島南部の道路交通が抱える

・レジャー
・経済
・インフラ

それぞれの問題について掘り下げてみよう。

 まず、レジャーについては、大都市圏からの距離の割に時間がかかることが問題点として挙げられる。例えば、東京駅を土曜日の午前10時に出発して伊豆急下田駅まで車で移動した場合についてGoogleマップで調べてみると、最短ルート約200kmの移動距離で3時間40分~5時間かかると算出される。

 これと同程度の距離で調べてみると、同じ静岡県の焼津駅まで2時間50分~4時間10分で到達。また、同程度の所要時間帯で調べてみると、静岡県を丸々縦断し愛知県まで到達することもできる。伊豆半島南部が、距離の割にいかに時間がかかる地域であることがわかるだろう。

道路交通の不安定さ

国道135号(画像:(C)Google)
国道135号(画像:(C)Google)

 次に、経済については、主に物資輸送について考えてみる。レジャーで挙げた問題点に加えて、道路交通の不安定さが問題だ。

 最短距離の国道414号は、天城越え区間における事故や天候不良による通行規制が少なくなく、道路自体が寸断される。国道135号は、首都圏から来る場合は小田原市内や熱海市内の渋滞に巻き込まれて時間が読めず、中部地方から来る場合には国道135号が通る伊豆半島東岸まで出るのは遠回りであることに加え、伊豆半島を横断する道はどれも急勾配・急カーブの山道ばかりだ。

 残る国道136号も決して道路の線形が良いとは言えず、伊豆半島西岸地域はまだ良いが、やはり下田市周辺は遠回りとなる。

 結果として物資輸送が滞り、経済がうまく回らなくなる。これは伊豆半島南部発・着双方の物資輸送に関して言えることであり、特に伊豆半島南部発の海産物は鮮度の低下が懸念される。ここに前述のレジャーによる経済活動も加味すると、伊豆半島南部の経済被害は決して小さなものではない。

伊豆半島北部に集中する24時間病院

国道136号(画像:(C)Google)
国道136号(画像:(C)Google)

 最後に、インフラについては、主に救急車で大規模病院へ移送する医療輸送や災害時輸送について考えてみる。基本的には経済の項目で説明した内容と同様、道路交通の不安定さがそのまま伊豆半島南部のインフラに打撃を与えることとなる。

 医療輸送に関しては、さらに問題が残る。

 それは、生命の危機にひんするような傷害疾病の患者を24時間態勢で受け入れる、いわゆる第三次救急医療施設が伊豆半島北部にしか存在していないことだ。このため、全ての道路交通網が平常時であっても、河津町を除く伊豆半島南部から当該医療機関までは救急搬送に1時間以上を要し、当該地域全体として医療体制が十分に確立できていない。

 このように伊豆半島南部はさまざまな問題を抱えているため、伊豆縦貫道の建設は必須事項となっている。そして、全線開通の暁には、沼津市~下田市は現行所要時間の半分である約1時間で結ばれる。

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